現在完了形の意味と使い方を分かりやすく解説!

現在完了形とは?

現在完了形は中学校で習う文法表現の一つで、動詞の形が「 have + 過去分詞 」という形になるものとして説明されています。現在完了形になった場合、普通の動詞を使う場合と比べて、日本語の意味としては下の四つの表現を言うための英文法とされます。

  1. 経験
  2. 継続
  3. 完了
  4. 結果

 日本語の訳を考える上ではこれでよいのですが、この四つの日本語が全て一つの「現在完了」という英文法で表現される、ということを考えるとちょっと不思議な気がします。ネイティブスピーカーの頭のなかではこの四つの表現は同じものなのでしょうか。

 そんなはずはありませんね。では、現在完了形とはいったい何を言うための英語なのでしょうか。

現在完了形の訳し方とイメージ

過去形と現在完了形

 現在完了形は、以前に起こってしまった行為または状況を指して表現する文法です。過去におこっているのですから、過去形で言ってしまってもいいはずですが、わざわざ違う表現をするのはなぜでしょう。
 

 過去形を使うときは以前に起こったことをただ単に「~だった」といいきって、気持ちとしてはその出来事から離れてしまっているのに対し、現在完了形ではそのことは既に起こってしまったのですが、その過去のことが今の現実にまだ引きずられて残っている、というイメージが伝えられます。例を挙げましょう。

  A.  I ate breakfast.
  B.  I have eaten breakfast.

 この二つの英文はどちらも、「朝食を取った」という日本語になります。
 違いは、過去形 ”ate” を使った文章は単純に朝食を取ったことを言っているだけなのに対して、現在完了形 “ have eaten ” を使った文章は朝食を取ったという過去のことが、まだ自分にとっては終わっていない影響を与えているという気持ちが伝えられていることです。
 

 過去形で言ったAの人にとって、朝食を取ったのは過去のことですが、現在完了形で言ったBの人にとっては、まだ朝食を取ったことは終わっていない現在のことなのです。

 おそらくBの人は朝食を取ったことについて自分に起こっている何かをまだ気持ちとして持っています。それは朝食が美味しかったので気分がよいのか、朝食を取ってしまったのであなたとは一緒に朝食をとれないのか、朝食を取ったレストランが気持ちのよいところだったので紹介したいのか、といったことでしょう。
 Bの人にとっては朝食を取った過去はまだ自分の中に残っているのです。

 時間の経過を含めて模式的に表すとこんな感じです。

 I ate breakfast.

I have eaten breakfast.

 ★ が「朝食を取った」という過去の出来事です。過去形の文では朝食を取った過去はもう現在と関係が切れてしまっています。一方で現在完了形では、関係は切れていません。

助動詞haveの表すもの

 現在完了形で使われる ”have” は「~を持っている」という意味の動詞ではなく、次に動詞を持ってきてその動詞に別の意味を与える助動詞です。この助動詞としてのhaveはその文章が示す状況そのものを保有している、またはその状況に影響を与えている、というイメージで使われています。

 動詞が過去分詞という分詞の形になっているのは、これによってhaveに続く述語を、いわば全て形容詞句にしてしまう文法の構造になっています。つまり、

B.  I have eaten breakfast.

B’. I have breakfast (which is) eaten. → I have eaten breakfast.

という意味の語順を入れ替えた文である、という考え方です。
 

 上に書いたようにこのhaveを「状況を保有している」、という風に理解していただくと、Bの文章は「私は食べた朝食を持っている」という文体になっていることになります。

 ここで「持っている」という日本語の言葉の意味を広げて、「自分が作用することのできる場にある」、「自分にとっての世界の中にある」と考えましょう。そうすると、朝食を取ったという過去の出来事から現在の自分までを含む時間の流れが繋がったひとかたまりのものになって意識できます。

 このように、動詞が示す「何かをしている」状況全体が現在の状況に与えている影響にフォーカスして話したい、というのが現在完了の「have+過去分詞」という動詞の用法です。

現在完了形の意味とは?

 では、まず現在完了形の意味を日本語に置き換えることを考えましょう。教科書的な意味は下記の4つとなっています。

  1. 経験
  2. 継続
  3. 完了
  4. 結果

    一つ一つ見ていきましょう。

経験

 経験的現在完了と言われることもあります。過去に何かをしたという体験、経験を強調した語法です。日本語としては「~したことがある」という訳を当てます。

   C1.  I have visited England.
   C2. I visited England.

   C1.「イングランドへ行ったことがあります」
   C2.「イングランドへ行きました」

 
  この二つの文章はC2が以前イングランドへ行った、という過去の事実を伝えるのに対して、C1は以前イングランドへ行き、そのことが今の自分に何らかの影響を与えている、という気持ちを含んでいます。意味の違いを強調するために少し言葉を足します。

  

   C3.  I have visited England three times.
   C4.  I visited England in 2005.

   C3.「いままでに3回イングランドへ行ったことがあります」
   C4.「2005年にイングランドへ行きました」 

  
 C3の人は過去に3回、イングランドへ行きしかもまだ本人の気持ちはその状況を手放していません。とても好きなのか、仕事で用事があるのかわかりませんがまだこれからも行くと思っているのかもしれまんせん。
 

 これに対してC4の人は昔行ったのですが、もう気持ちとしては過去のことです。過去に3回行っていて、それでもう終わりという気持ちであれば、

   C5. I visited England three times.

   C5.「3回イングランドへ行きました」

 という言い方はできます。

 このC3とC5は日本語で意味の違いを表現するのが難しいので、過去形と現在完了形の違いとして感じ取ってください。C5のthree timesはもう終わった3回のことですが、C3のthree timesは過去から現在までの時間の流れの中での3回のことです。

 逆に特定の過去にどこかへ行ったことがあるということを現在完了形を使って

 X C6.  I have visited Russia in 2005.

 ということはできません。

継続

 継続的現在完了とも言います。過去から現在まで、何かがずっとおこっているという用法で、意味の上では現在完了形が持っている時間の流れのイメージが最も端的に使われている用法といえます。日本語としては「ずっと~している」「~し続けている」という表現が当てられています。

   D1.  She has been sick.
   D2.  She was sick.

 過去に起こったことがそのまま現在の状況に変わらず影響を与えているということを表現する用法です。

 D2は過去に彼女が病気だったことを単純に告げているのに対して、D1は過去から現在にわたる期間のあいだずっと彼女は病気で、今でも病気です。

 継続の意味の現在完了で使われる動詞は、意味の上から考えて状態や作業を表す動詞であることが多くなります。

   D3. I have worked in this company for 3 years.
   D4. He has lived in the city since he was a child.

   D3.「この会社で三年働いています」→「この会社で働いて三年になります」
   D4.「彼はその町に子供のころからずっと住んでいます」   

 働き始めたのも、住み始めたのも過去のことです。その状態が現在までずっと続いています。話し手のフォーカスする「今」は過去の状態がまだ終わらずに引き続き起こっている状態です。
 

 意味をはっきりさせるために、期間を表す語句と一緒に使われることが多くなります。「いつから」または「何年間」といった言葉が入っている場合は継続用法と考えていいでしょう。

完了

 完了的現在完了とも言います。何かが現在に非常に近い過去に終わった、ということを指します。通常は副詞 ” just ”と一緒に使われ、以前から継続して行われてきたことが、ちょうど終わったという感慨をこめて使われます。日本語としては「ちょうど~したところだ」という訳を当てます。

   E1.  I have just finished my homework.
   E2.  I finished my homework.

   E1.「宿題が終わったところです」
     →「ちょうど今宿題が終わったところです」
   E2.「宿題は終わりました」  

 

 動詞 ”finish” は宿題が「終わった」というある時点での動作を表していますから、過去形の ”finished” はその動作の時点が過去であることを単純に伝えています。

 これに対して現在完了形の “have finished” はそれ以前の過去から終わった時点までの時間の流れの中で、「終わった状態である今」を含んで話をしています。E1の表現には、宿題が終わるまでの以前の時間に、ずっと宿題をやり続けていたという気持ちが含まれています。
” just ” を使うことで「たったいま」宿題が終わったという気持ちを強調しています。
 

 同様に
 

   E3.  I have just eaten breakfast.
   E4.  I have just seen her.

   E3.「たったいま朝食を取りました」→「ちょうど朝食が終わったところです」
   E4.「たったいま彼女を見ました」→「ちょうど彼女に会ったところです」

   

 といった表現で、話している「今」の直前に朝食を取ったこと、彼女に会ったことを強調しています。話し手のフォーカスは「今」にあります。

 E3は朝食を取り終わったので、もう朝食を取る必要はない。もうお腹はふくれている、もう次の作業にかかれる、という今の状態を語っています。E4も彼女をついさっき見かけたので、今ここには彼女はいない、どこか近くにいるはずだという現在の状態を語っています。

 ここでE3 とE4のどちらの英文にも「終わった」という意味の単語は含まれていないことに注意してください。日本語の「終わった」「いなくなった」という意味を引き出すのは、現在完了形が表現している時間の経過の感覚です。

 ここでE3を前掲Bの文章と比べてみます。

   B.  I have eaten breakfast.
   E3.  I have just eaten breakfast 

   
 どちらも「朝食を取った」という意味の現在完了ですが、E3にはつい先ほどまで朝食を取っていた、という意識が含まれています。

 模範的に書くとこんな感じです。

I have just eaten breakfast. 

結果

 結果的現在完了と言うこともあります。過去に起こってしまった何かが現在に与えている変化を伝える用法です。完了用法と同様に、動詞が伝える行為は今より以前に終わってしまっていますが、その行為の結果として今がどうなっているか、ということが伝えたい場合の現在完了形です。日本語としては「~してしまった」という表現が当てられます。

 

   F1. She has gone to America.
   F2. She went to America.

 F2では彼女が過去にアメリカへ行ったという事実を伝えています。今、彼女がどこにいるのかについては何も伝えていません。これに対してF1は彼女がアメリカへ行ってしまって、「今、ここにはいない」ということを伝えています。

 この場合、” go ” という単語には「いない」という意味はないことに注意してください。これが「いない」という意味になるのは現在完了形という文法の文脈から出てくる結果です。同じ現在完了形の文章でも

F3.She has just gone to America.

 とすれば、これは完了用法になり「彼女はたった今アメリカへ行った」という表現になります。この場合は彼女が「今、旅立った」という直前の行為に意識があるのに対して、結果用法では、旅立った結果「今、ここにはいない」状態に意識があります。
 どちらの場合も、話し手の気持ちがフォーカスされているのは、彼女が言ってしまった後の現在の状態です。

   F4. Spring has come.
   F5. I have lost a key.

   F4.「春が来ました」→「春になりました」
   F5.「鍵をなくしてしまいました」

 

 春が来たのも、鍵をなくしたのも、過去のことです。その結果として「今は春である」こと、「自分は鍵を持っていない」ことが上の文の意味するところです。

現在完了形の使い方

 日本語の意味を当てはめる上ではこれでよいのですが、何か釈然としません。話をする前に、『これは経験に関することを言うのだから、動詞はhave + 過去分詞 にして話をしよう』などと考えるのでしょうか。

 現在完了形は英語でpresent perfectといいます。have + 過去分詞という文法をperfect といいます。ネイティブスピーカーの頭の中ではどんな状況のときにこのperfectを口にするのかを考えてみましょう。

 話したいことは「過去の出来事に関する」ことです。その、「もう起こってしまったこと」が原因で、今の状況がどうなっているのかということ、つまり現在と過去の関係が本当に「話したいこと」です。

 話を簡単にするために主語を” I “に限定します。『ここにいる「私」は、これこれの過去の事実が起こったことの帰結としてここにいる自分になっている』という気持ちをこめて状況を語るときが、perfectを使うときです。I have ~といった瞬間に、気持ちの上では「自分は、これこれの過去(歴史)を持ってここにいる自分です」といった感覚、自分の今の状態を自分の外から眺めているような、少しさめた気持ちがあります。

時間の経過を表す  Signal Words

この場合、現在形のhaveを使いながら「話をすることは過去のこと」であるということを示すことが必要になるので、何らかの形で時間の経過を表す語を入れると文の内容がクリアになります。このような語句をsignal wordsといいます。代表的なsignal words は下記のようなものです。

 

   just
   yet
   never
   already
   ever
   so far
   up to now
   recently
   since
   for

  
 これらのsignal wordsを使うことで、文章の中で時間を流すことができます。「しばらく前からずっと」とか、「どれくらいの間」、「つい最近までしばらくの間」とかいった漠然とした時間の中で何かが起こった、ということが言えます。このsignal wordsの選び方でperfectの使い方が変わります。

過去の期間について:過去から現在まである期間にわたって起こっていること

 今の瞬間までを含む時間を表現するsignal wordsを使えば、そのperfectは過去から今まで継続して起こっていること、を語ります。

 このようなsignal wordsには

 

   for a week
   for five years
   since you were a child

   などがあります。期間を示していますが、その期間は始まりが示されており、「今」で終わります。このような時間の流れで語りたいことは、意味としてはある状態が続いてきた、なにかをずっと続けてきたという内容になるでしょう。

   

   G1. I have stayed here for a week.
   G2. He has used this car for five years.
   G3. Have you known her since you were a child?

 過去の時間の流れとperfectの使い方を模式的に書くとこのようになります。

 過去の時間の感覚が、ある期間として気持ちの中にあります(上の赤い矢印が期間)。5年なら5年という期間(” for ”の場合)、または「いつから」という始まりがある期間です(”since “の場合)。

 気持ちは期間の長さ、または始まったときに向いています(上の青い半円の矢印)。

 そして、その間ずっと起こってきたことが今まで続いています(上の青い破線の矢印)。時間の矢は過去から現在まで続いています。

 このとき、perfectが伝えている「今」はつまり、過去と同じ状態が継続したものです。

 もう一度、過去形と現在完了形を模式図にしてみます。

   I stayed here.

I have stayed here for a week.

 この二つの模式図にはそれぞれの文章を構成する単語を入れてあります。

 今自分がいるところ(「現在」=” I ” )からみてstayしたのは過去(★)です。過去形は過去の時間を振り返って、過去のある時点のことを語るのに対して、現在完了形は過去のある時点から今へのつながりを全て含めて語ります。

 黒い二重線の矢印は文章の語順です。現在完了形では主語と動詞の間に“have” を入れて、文の最後に時間を説明するsignal wordsを入れます。これによって、その過去の行為を今の自分が持っている、という文章構造になっています。

 この、時間をさかのぼるような、一わたりの時間をまとめて自分がつかんでいるような感覚がhave – perfectです。現在完了形というのは、過去の時間と現在の関係を表現する「時制」なのです。

今を含む期間について:現在も続いて起こっているまだ終わっていないこと

同じ気持ちですが、signal wordsが指す時間が今で終わらない場合があります。過去から今を通り過ぎて未来まで続く期間となる場合です。例えば

   this week
   this summer
   today

 といった時間については、今週、今年の夏、今日という期間は「今」の瞬間を含んでいます。こういったsignal wordsに対してperfectを使えば、その動詞の作用は「今」の瞬間では終わらずに、今週や今日が終わるまで続くことになります。

   H1.  I have been busy this week.
   H2.  It has rained a lot this summer.
   H3.  A fish has not been caught today.

   H1 「今週は忙しい」
   H2 「今年の夏は雨がよく降る」
   H3 「今日は魚が一匹も釣れていない」

 今週、夏、今日はまだ終わっていませんが、今の時点ではこうである、といっています。この後、どうなるかは分かりませんが、ここでいう未来への期間を「今」で切ると状況が変わることを予測または期待する、という言い方になります。

 

   H1.  I have been busy this week, up to now.
   H2.  It has rained a lot this summer so far.
   H3.  A fish has not been caught today, yet. 

 模式図で書くと

 となっています。

頻度について:何度も繰り返し起こっていること

 過去から現在までの時間の流れのなかで、いままでにその出来事が繰り返し起こったということが言いたい、という場合です。それがいつ起こったのかは問題にされません。頻度を表すsignal wordsと一緒に使われることが多い用法です。

   I1. She has seen that film three times.
   I2. I have visited the park frequently.

   I3. We have found many major problems while working on this project.

 

 いつ起こったのかが重要であれば、過去形で言うことになります。この場合は過去のある時期に起こった、ということを伝えるだけです。完了形で伝えることで時間が流れ、その何度か起きた出来事がつながった一連のものとして意識されます。

 いつ起こったのかは重要ではありません。過去から現在にかけてその出来事が何度か起こっているということ(一回だけかもしれません)が重要です。

 「現在完了形の意味:経験」の見出しでも触れましたが、完了形の場合は過去の特定の出来事がいつ起こったのか、ということは言うことができません。

 

X C6.  I have visited Russia in 2005. (再掲)
○ C6’. I visited Russia in 2005

今で終わる期間について:今まさに終わろうとしていること

 「現在完了形の使い方:過去の期間について」の見出しと同じく過去から現在まで続いていることについて話をしていますが、その出来事が今まさに終わった、ということを伝える場合です。このケースは日本語での現在完了の意味の中の「完了」と同じ意識で使われると言っていいでしょう。
 

 「今、まさに」というニュアンスを表現するためにsignal wordsとして” just ”を使うことが普通です。

 

   J1. I have just seen her.
   J2. Has he just left?
   J3. They have just sold the last piece.

  
  ついさっき彼女を見た、さっきまで彼はそこにいた、もうちょっと早く来れば間に合ったのに、という気持ちが現在完了形によって表されています。

 この場合、have以下で表されている状況を話し手はもう既に保有してはいないのですが、終わったのが現在とあまりに近いので気持ちの上で名残があるという感覚です。

不特定な過去について:いつ起こったのかは重要でないこと

 過去のいつだかは特定せずに、ある出来事が起こったことで現在の状態に影響を与えている、という言い方です。何かが起こった過去から現在までの時間が意識されていますが、その出来事がいつのことなのかは分からない場合もこの使い方になります。

 日本語にはこのような「いつだかわからない過去」を振り返って指す決まった時間表現がないのですが、現在完了形としてはむしろ単純な用法になります。

   K1. Someone has eaten my cake.
   K2. Have you read “The Old Man and the Sea”?
   K3. She has not found the time to do that.

 
  Signal wordsが効果的に使われていないこともあって、過去の時間の流れと話し手の意識のつながりが明示されていません。日本語に翻訳しにくい現在完了形の文となりやすいのですが、「過去に起こったことが、現在までの時間の流れのなかで、今の問題として語られている」という視点はそのままです。

模式的に書けば

となります。

現在完了形と過去完了形、未来完了形の違いとは?

 ここまでに話してきた現在完了形の、「時間の流れ」の終点になる点を過去や未来に動かすことで話し手の意識している時期や期間の見当が変わってきます。

 模式図に書いた矢印の終点が動くイメージになります。

過去完了形

 過去完了形は、過去にもう終わってしまったことについて現在から振り返って話す、という用法です。完了形の動詞はその過去の中でさらに「過去」に起こったこと、になるので、過去完了形を大過去形、とか二重過去形ということがあります。

 模式的に書くと、出来事は過去に始まって過去に既に終わっています

 英語表現の使い方として時間の流れを見てみましょう。

I stayed here for a week.   過去形
I have stayed here for a week. 現在完了形
I had stayed here for a week. 過去完了形

  
 
 となり、最後の過去完了形では時間の流れが

となって、その場所に泊まっていた一週間は既に過ぎた昔のこと、になっています。

例文を挙げます。

   L1. He had established his company before he turned 20.
   L2. The bus had just left when we got the stop.
   L3. She had lived in Tokyo before he moved to Los Angeles.

 L1 彼は20歳になる前に自分の会社を設立した。(彼が20歳だったのは過去のこと)
 L2 ちょうど私たちがバス停に着いたときに、バスは出てしまった。
      (バス停に着いたのは過去のこと)
 L3 ロサンゼルスに引っ越す以前、彼は東京に住んでいた。
      (彼がロサンゼルスに引っ越したのは過去のこと)

 現在の自分が、過去(過去その1)を振り返ってその過去からさらに前に起こったこと(過去その2)について、過去その1までの時間の流れの中で語るときの動詞の時制、が過去完了形ということです。

未来完了形

 過去完了形で過去その1に動かした時間の矢の終点を未来におけば、未来完了形になります。将来において既に終わっているであろう出来事について、現在の立場から語るという形式になります。

 模式的に書くと

このようになります。

 英語表現の使い方として時間の流れを見てみましょう。

I stayed here for a week.   過去形
I have stayed here for a week.   現在完了形
I had stayed here for a week. 過去完了形
I will have stayed here for a week. 未来完了形

  
   最後の未来完了では

こんな風になっています。

 過去完了の場合もそうですが、ある期間の出来事を一括りにしてそういうことが起こっている「状況」をいうために動詞が「過去分詞」で形容詞化されています。

 そのような状況を自分が、いわば別の立場から、認識している(=持っている)という意識を” have “で表す、と考えていただくと英文全体の構造が把握できると思います。

未来完了形の例文を挙げましょう

   M1. He will have completed the project by July.
   M2. She will have appointed to the position.
   M3. The world will have completely changed in 10 years.

 未来完了形の場合は、完了形で言われている出来事が起きるのは現在から見て未来であるとは限りません。上の模式図で★で示されている出来事は、現在から見て過去に起こっていることもあります。

   例えば、現在が月曜日として、今週末の土曜日のことを言っている文の中で、

I will have stayed here for a week. 

 

といえば、先週の日曜日から今週の土曜日までの一週間を指してperfectを使っているということになります。

 模式的に書けば

 となります。

 あくまでも話し手の意識として出来事が起こっている時間の流れの終点が未来にある、ということを言うのが未来完了形ということです。

こんな時はどう言うのか? – タイムトラベル例文 

 完了形は時間の流れを意識の中に取り込んでhave を助動詞として使うことで今と出来事の関係を言うための文法です、といいました。

 それではもしも、過去と現在が入れ替わった世界を考えたら? SFの世界ではよく使われるタイムマシンですが、これが実在するとしたら、その世界の時間の流れはどうやっていうのが正しいのでしょう?

 アメリカで大人気のテレビドラマ、「ビッグバン★セオリー」(The Big Bang Theory)の中で使われた、タイムトラベルについてのやりとりから紹介しましょう。

 このドラマをご存じない方のためにちょっと説明しておきます。「ビッグバン★セオリー」はちょっとオタクで頭脳明晰な4人の男とそのガールフレンド3人を主人公にしたコメディドラマ。ここで紹介する会話では、カルテックの物理学者レナードとMIT修士号を持つ応用物理学エンジニアのハワードの会話に物理学博士号を持つシェルドンが疑問をはさみます。

 彼らが話しているのは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』の中でのタイムトラベルに関わって起こった事件のことです。では、まずは会話をそのまま書き出してみましょう。

Howard: Something doesn’t make sense. Look. In 2015 Biff steals the Sports Almanac and takes the time machine back to 1955 to give it to his younger self. But as soon as he does that he changes the future, so the 2015 he returns to would be a different 2015. Not the 2015 that Marty and Doc were in.
 
Leonard: This is Hot Tub Time Machine all over again. Look. If future Biff goes back to 2015 right after he gives young Biff the Almanac, he could get back to the 2015 with Marty and Doc in it. Because it wasn’t until his 21st birthday that 1955 Biff placed his first bet.

Sheldon: But whoa, whoa. Is ‘placed’ right?
Leonard: What do you mean? 

Sheldon: Is ‘placed’ the right tense for something that would’ve happened in the future of a past that was affected by something from the future? 

Leonard: [thinks] Had will have placed

Sheldon: That’s my boy.
Leonard: OK. So, it wasn’t until his 21st birthday that Biff had will have placed his first bet and made his millions. That’s when he alters the timeline. 

Sheldon: But he had will haven’t placed it. 

Howard: What? 

Sheldon: Unlike Hot Tub Time Machine, this couldn’t be more simple. When Biff gets the Almanac in 1955, the alternate future he creates isn’t the one in which Marty and Doc Brown ever used the time machine to travel to 2015. Therefore, in the new timeline, Marty and Doc never brought the time machine. 

Leonard: Wait, wait, wait. Is ‘brought’ right? 

Sheldon: [thinks] Marty and Doc never had have had brought? 

Leonard: I don’t know, you did it to me. 

Sheldon: I’m going with it. Marty and Doc never had have had brought the time machine to 2015. That means 2015 Biff could also not had have had brought the Almanac to 1955 Biff. Therefore, the timeline in which 1955 Biff gets the Almanac is also the timeline in which 1955 Biff never gets the Almanac and not just never getsnever havenever hasn’tnever had have hasn’t. 

 何を言っているのか、ちょっと分かりにくいでしょうか。映画をご覧になったことのない方のために「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の筋を振り返っておきましょう。

 映画の中の時代設定は1985年主人公のMartyタイムマシン「デロリアン」を発明したBrown博士と一緒に30年後の未来へ行って2015年の自分の子供のトラブルを解決します。

 このときに見つけた2015年版のスポーツ年鑑を悪役のBiffが手に入れ、デロリアンで30年前の過去へ戻って1955年の高校生だった自分に渡してしまいます。未来のスポーツの試合の結果を全て知った1955年のBiffが賭博で大儲けをし、過去が変わってしまったことで1985年の現代が変わって、大変な事件が起こるという筋書きです。

 「ビッグバン★セオリー」の会話に戻りますと、

Howard: Something doesn’t make sense. Look. In 2015 Biff steals the Sports Almanac and takes 
the time machine back to 1955 to give it to his younger self. But as soon as he does that he changes the future, so the 2015 he returns to would be a different 2015. Not the 2015 that Marty and Doc were in.

 1955年の過去をBiffが変えたことで2015年の未来も変わったはずなので、変わってしまった2015年はMartyが自分の子供を助けた2015年ではなくなったはず、ということですね。

Leonard: This is Hot Tub Time Machine all over again. Look. If future Biff goes back to 2015 right after he gives young Biff the Almanac, he could get back to the 2015 with Marty and Doc in it. Because it wasn’t until his 21st birthday that 1955 Biff placed his first bet.

 Hot Tub Time Machineというのは2010年に放送されたタイムマシンが出てくる別のテレビコメディドラマの番組名です。(「ビッグバン★セオリー」のこのエピソードの放送は2014年。)
 

 このLeonardの最後の文に注目、1955年のBiffが最初にスポーツ賭博ができたのは21歳の誕生日の後のはず、ということですが…

 これにシェルドンが食いつきます。

Sheldon: But whoa, whoa. Is placed right?
Leonard: What do you mean?

Sheldon: Is placed the right tense for something that would’ve happened in the future of a past that was affected by something from the future?

 シェルドンはBiffが「初めて賭けをした」=” placed his first bet ” は” placed ”でよいのか、と聞いています。

 未来(2015年)の影響を受けて変わった過去(1955年)からの影響を受けた「過去の未来」(Biffが高校を卒業して21歳になった時)に起こったことを言うときの動詞の文法は、過去形の ” placed ”ではおかしいのではないか、と聞いているのです。

 ここでシェルドンははっきりと「” placed ”は正しい時制なのか」と聞いていることに注意してください。

Leonard: [thinks] Had will have placed
Sheldon: That’s my boy.

 レナードが新しい文法を発明しました。” had will have placed “ではどうか、というのです。これはシェルドンの気に入ったようです。

 ここで映画の事件の時間の流れを整理して見ましょう。

 二つの矢印のうち、上の図が物語が始まったときの時間の流れ、下の図は過去が変わった後の時間の流れです。未来から過去へ年鑑が持ち込まれたことで過去が変わり、それによってその時点から先の全ての時間の流れが変わりました。

 次にこれを表現するための時間の流れの「前後関係」を加えます。

 過去の出来事を説明するために一旦時制を未来の出来事まで進めてから過去へつなぐ、という時間の流れ方が必要です。

 これを現在の立場から完了形の文法に当てはめようとすると…

 このようになって、まず過去に視点を移し、Biffが21歳になった時(★)からその先への時間の流れを意識します。しかしこの過去は上の図の時間の流れにある未来から継続している過去なのです。

 これを表現するために、未来完了形を過去完了の中に入れるという言い方、すなわち “ had will have placed “という過去未来完了形(こんなものはありません)をレナードは編み出したのです。

 ダイアログの先を見ましょう。

Leonard: OK. So, it wasn’t until his 21st birthday that Biff had will have placed his first bet and made his millions. That’s when he alters the timeline. 

Sheldon: But he had will haven’t placed it. 

Howard: What? 

 新しい文法を使って、Biffが初めて賭けをしたその瞬間に未来が変わった、といいなおしたレナードに対し、シェルドンは彼考案の過去未来完了形を使って疑問を返します。そんなことは起こらなかったはずだ、というのです。

Sheldon: Unlike Hot Tub Time Machine, this couldn’t be more simple. When Biff gets the Almanac in 1955, the alternate future he creates isn’t the one in which Marty and Doc Brown ever used the time machine to travel to 2015. Therefore, in the new timeline, Marty and Doc never brought the time machine. 

Leonard: Wait, wait, wait. Is brought right? 

 Biffが年鑑を1955年に持ち帰って作った新しい時間の流れはMartyと博士が2015年の未来に行った時間の流れではない。したがってこの新しい時間の軸では二人はタイムマシンを使っていないから、Biffは賭けをするための年鑑を持っていないはず、というのですね。
 

 ここで時間の流れを含めて表現するために上で編み出した過去未来完了形の否定文が使われています。
 今度はシェルドンの使った言葉にレナードがかみつきます。このタイムマシンを「使っていない」= “ never brought ”は過去形でよいのか、というのです。

Sheldon: [thinks] Marty and Doc never had have had brought? 

Leonard: I don’t know, you did it to me. 


 今度はシェルドンが新しい文法を考えます。過去完了の中に現在完了を入れてそこからもう一度過去完了形を使うことで時間の流れに合わせて二重の過去完了形を編み出しました。” had have had ”という単語の並び方は新鮮です。
 

 レナードはそれで正しいのかどうか分からない、といっていますがシェルドンはそのまま続けます。

Sheldon: I’m going with it. Marty and Doc never had have had brought the time machine to 2015. That means 2015 Biff could also not had have had brought the Almanac to 1955 Biff. Therefore, the timeline in which 1955 Biff gets the Almanac is also the timeline in which 1955 Biff never gets the Almanac and not just never gets: never havenever hasn’tnever had have hasn’t.



 上の太字にした文がシェルドンの結論になります。Martyと博士は2015年にタイムマシンを持っていくことは(変えられた過去の影響で変わった現在の影響により)なかった、という表現です。念のため模式図にして見ましょう。

これでどうでしょう。

 続けてシェルドンはBiffの時間への影響も考えます。Martyと博士がタイムマシンを使わなければ年鑑を1955年に手に入れることはできなかったのですから、1955年にBiffが年鑑を手に入れた時間の流れは1955年にBiffが年鑑を手に入れなかった時間と同じものだ、というのですね。

 シェルドンの最後の言葉、斜体の文は四つの文が並列しています。

Biff never gets the Almanac and not just never gets:
   never have (got),
   never hasn’t (got),
   never had have hasn’t (got).

 
 Biffにとっての1955年においてこの四つが全て正しいはずだ、というのですね。

Biffが年鑑を手に入れたことはありえない。
 Biffが年鑑を(元の時間の中で)手に入れていたことはありえない。
 Biffが年鑑を(変わった時間の中の現在)手に入れていなかったということはありえない。
 Biffが年鑑を(元の時間の未来から変わった時間の現在にかけての時間のなかで)手に入れていなかったということはありえない。

 最後の文、” Bill never had have hasn’t got Almanac. ”を模式図にしておきましょう。

 どうやら未来の英文法の本はかなり分厚いものになりそうですね。今のうちに完了形はしっかりマスターしておいた方がよさそうです。

まとめ

 今回は現在完了形の文法について、最初は日本語の意味に置き換えて理解するという方法で説明し、その後で英語の時制の感覚として書いてきました。

 英語を使う上での感覚としては、現在から見て過去のいつだかに起こったことを、現在の話題に引き込んで使うための言葉の使い方です。それが起こったという過去の事実から現在までの時間を「一つながりの出来事」として取り出している感覚、といえばよいでしょうか。

 最後に付け足した「ビッグバン★セオリー」では英文法を遊ぶジョークに触れていただきました。SFが好きな方には聞きなれたタイムパラドックスの話ですが、日本語で説明すると「過去の未来」や「未来の影響を受けた現在」といった分かりにくい表現が重なって読み苦しかったと思います。

 同じことが英語では「完了形の組み合わせ」という仮想の文法で目に見えるようにシンプルにつながります。

 経験や完了といった訳語としての日本語の意味から日本語を英語に翻訳するのではなく、単純に過去の出来事と今を結び付けて話すのです。

 そんな状況について話をする機会があったら迷わず現在完了形を使ってみてください。後でその英語を日本語に翻訳してみようとすれば、それは学校で習った四つの用法のどれかで説明できるということに気がつくでしょう。

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